趣意
近年、心臓突然死の多くが心室細動によるものであり、その際には迅速な心肺蘇生(CPR)とAED(自動体外式除細動器)の使用が生存率を大きく向上させることが広く認識されております。しかしながら、地域社会におけるAEDの設置率や活用率は依然として十分とは言えない状況です。施術所は、地域住民が健康を維持し、治療を受けるために集う身近な場所であり、AEDの設置と啓発活動を通じて、地域全体の安全・安心を支える役割を担うことが可能です。
当会世話人代表・長谷川らは2019年3月より、「全国の施術所・施術者は地域住民の早期蘇生を支える社会的資源となる」ことを理念に掲げ、自らの所属会員だけではなく、他の業団体にも働きかけ、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師が緊急時に適切な対応ができるよう、救命措置の知識と技術の習得と鍼灸・マッサージ院(接骨院も含む)での自動体外式除細動器(AED)設置の促進を呼びかけてきました。
本事業は、施術所がAEDの普及と使用啓発を積極的に推進する意義を明確にし、その活動が地域社会全体の救命体制の向上に寄与することを目的としています。
活動目的
- 地域住民の生命を守るための体制強化
施術所におけるAEDの設置により、心停止発生時に迅速かつ適切な対応を可能にします。これにより、施設内外を問わず、救命の可能性を高めます。 - AEDの使用方法に対する意識向上
地域住民に対してAEDの使い方や心肺蘇生法(CPR)に関する情報を提供し、誰もが救命行動を取れる社会を目指します。 - 地域社会の安心感の向上
「近くにAEDがあり、適切に対応できる場所がある」という認識が、住民の安心感を向上させます。 - 施術所の社会的役割の強化
健康管理だけでなく、緊急事態への対応力を備えた施術所として、地域社会の信頼と支持を得ることを目指します。
活動内容
- AEDの設置・管理
施術所にAEDを設置し、適切な管理を行います。また、AEDが常に使用可能な状態にあることを確認します。 - 普及啓発活動
- 地域住民向けのAED使用方法や心肺蘇生法に関する情報提供
- AEDの重要性や使用方法を広めるための情報発信(パンフレット、ウェブサイト、SNSなど)
- AEDの存在を示す明確な表示や案内板の設置
- 地域連携の促進
地域の学校、自治体、企業などと連携し、救命体制の強化に貢献します。
おわりに
施術所におけるAEDの普及啓発活動は、地域社会の安全を支える基盤となる重要な取り組みです。一人ひとりの命を守るためには、「いざというとき」の準備と迅速な行動が不可欠です。施術所は、その中心的な役割を果たす場として、これからも地域住民とともに救命意識の向上に努めてまいります。